そばの基礎知識
更科そばとは、そばの実の中心部分から作られる白いそばです。
そばといえば、茶色や灰色がかった麺を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、そばには白く透き通るような見た目の「更科そば(さらしなそば)」もあります。
更科そばは、そばの実の中心部分から取れる「一番粉」を使ったそばです。一般的なそばより香りが穏やかで、ほのかな甘みとなめらかなのど越しが特徴です。
この記事では、更科そばが白い理由や味の特徴、田舎そば・十割そばとの違い、名前の由来について説明します。
更科そばとはどんなそば?
更科そばは、そばの実の中心部分から取れる白いそば粉を使って作るそばです。この粉は一般に「更科粉」や「一番粉」と呼ばれています。
一般的なそばには薄い茶色や灰色のものが多いのに対し、更科そばは白く、やや透明感のある仕上がりになります。
香りは比較的穏やかで、口当たりがなめらかなのも特徴です。そばの強い香りを楽しむというより、ほのかな甘みや麺の食感を楽しむそばとして知られています。
また、更科粉を使ったそばは「御膳そば」と呼ばれることもあります。
更科そばはなぜ白いのか?
更科そばが白いのは、製粉の際にそばの実の中心部分から取れる粉を使用しているためです。
そばの実は、外側と中心部分で色や成分が異なります。殻を取り除いたそばの実を製粉すると、柔らかい中心部分が先に粉になり、その後、外側に近い部分が粉になります。
一番粉・二番粉・三番粉の違い
最初に取れる「一番粉」は、でんぷん質が多く白い色が特徴です。これが更科粉と呼ばれるものです。
続いて取れる「二番粉」は、そばの実の中心部より外側の部分を含み、そばらしい風味が強くなる傾向があります。さらに外側の甘皮に近い部分を多く含む「三番粉」は、色が濃く、風味も強くなりやすい粉です。
つまり、同じそばの実でも、どの部分を使って製粉するかによって、麺の色や味わいが変わります。
更科粉は白さとのど越しが特徴
更科粉はでんぷん質が多く、一般的なそば粉に比べて生地をつなげる力が弱いため、そば粉だけで麺にするには高い製麺技術が必要です。製法によっては、お湯を使って生地をまとめる方法などが用いられます。
更科そばの味と田舎そばとの違いは?
更科そばと田舎そばでは、使われるそば粉の特徴が異なるため、色や香り、食感にも違いが見られます。
更科そば
- そば粉
- 主に中心部分から取れる一番粉を使用
- 麺の色
- 白く、透明感がある
- 香り・味
- 香りは穏やかで、ほのかな甘みがある
- 食感
- なめらかな口当たり、のど越しの良さが特徴
田舎そば
- そば粉
- 甘皮に近い部分などを含む粉が使われることが多い
- 麺の色
- 灰色から黒っぽい色までさまざま
- 香り・味
- そばらしい香りや風味が強い傾向
- 食感
- 太めで、しっかりした食感に仕上げる場合がある
※一般的な特徴の比較です。田舎そばには統一された製粉方法や太さの規定があるわけではなく、店舗によって異なります。
どちらが優れているというものではなく、好みによって選ぶそばが変わります。繊細な食感を楽しみたい方には更科そば、そばの香りや力強い味わいを楽しみたい方には田舎そばが選択肢になります。
更科そばと十割そば・二八そばの違いは?
更科そばと十割そば・二八そばは、そもそも分類の基準が違います。
「更科そば」は主に使用するそば粉の種類を表しています。一方、「十割そば」「二八そば」は、そば粉と小麦粉などの配合割合を表す名称です。
十割そばと二八そばの違い
十割そばは、そば粉を100%使い、小麦粉などのつなぎを加えずに作るそばです。二八そばは、一般にそば粉8割と小麦粉2割の割合で作られます。
更科そばについては、更科粉だけで作るものもあれば、小麦粉などを配合して製麺するものもあります。
そのため、更科そばだから必ず十割そばというわけではありません。そば粉の配合割合を知りたい場合は、商品表示や店舗の説明を確認する必要があります。
白いそばでも、原料はそばです
更科そばは見た目が白くても、そばを原料とするため、そばアレルギーのある方は食べられません。また、小麦粉を使用する商品もあるため、原材料の確認が必要です。
「更科」という名前の由来は?
「更科」という名前は、江戸時代のそば店の屋号と深い関係があります。
東京・麻布の老舗「総本家 更科堀井」の公式資料によると、その歴史は寛政元年(1789年)にさかのぼります。
信州の反物商だった布屋太兵衛が、江戸の麻布永坂町で「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」を開いたのが始まりと伝えられています。
「更科」の文字は、信州でそばの集散地だった「更級(さらしな)」の音に、領主である保科家の「科」の字を当てたものとされています。
これは更科堀井に伝わる屋号の由来です。江戸時代に始まった更科の歴史は、その後のそば文化にも影響を与え、現在も白い更科そばが親しまれています。
なお、更科は白いそばの名称としてだけでなく、江戸のそば店の系統を表す言葉としても使われています。
更科そばの食べ方と特徴のまとめ
更科そばは、白い色合いと繊細な食感が特徴のため、冷たいもりそばやざるそばで提供されることがあります。まずは麺そのものの味を確かめ、次につゆを付けて食べると、特徴を感じやすくなります。
また、更科粉の白さを生かして、柚子や抹茶などを練り込んだ「変わりそば」に使われることもあります。
更科そばは、そばの実の中心部分から取れる一番粉を使った、白くなめらかなそばです。田舎そばなどに比べて香りが穏やかで、ほのかな甘みとのど越しを楽しめます。
そばは品種や産地だけでなく、製粉方法や使用する部位によっても仕上がりが変わります。更科そばとほかのそばを食べ比べてみると、そば粉の違いをより具体的に感じられると思います。
参考資料
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そばは使用する粉によって、香りや食感、製麺のしやすさが変わります。
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